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『猟銃で狩猟をしてみたいけどどうしたらいいの?』
『欠格事由に該当すると猟銃を持つことができないって聞いたんだけどホント?』
こういった悩みにお答えしていこうと思います。
この記事でわかること
- 猟銃所持における欠格事由
- 18項目の絶対的欠格事由
- 相対的欠格事由
- 猟銃・保管設備についての欠格事由
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この記事を読まれている方は、猟銃や標的射撃で散弾銃の所持について検討している方でしょうか。
猟銃の所持には厳しい制限があり、それを『絶対的欠格事由』といいます。
残念ながら絶対的欠格事由に該当してしまうと猟銃の所持はできないんですね。
また、『相対的欠格事由』というものもあるので合わせて紹介できればと思っています。
本記事では下記の内容と根拠について紹介していこうと思います。
それでは始めていきますね。
目次
- 1 【狩猟】該当なければ大丈夫。18項目の絶対的欠格事由に該当する人は猟銃を持てない。その根拠について解説します。
- 1.1 『欠格事由』に該当すると猟銃を所持することができない
- 1.2 ①猟銃所持における18項目の絶対的欠格事由
- 1.2.1 ⑴未成年者
- 1.2.2 ⑵破産者で復権していない者
- 1.2.3 ⑶精神障害や認知症などの特定の病気の者
- 1.2.4 ⑷アルコール、あへん、麻薬、大麻などの中毒者
- 1.2.5 ⑸是非弁別能力、判断能力に問題のある者
- 1.2.6 ⑹住所が定まっていない者
- 1.2.7 ⑺所持許可の取消処分を受けて許可を取り消され、その日から5年が過ぎていない者
- 1.2.8 ⑻所持許可の取消しの聴聞会の期日・場所が公示された日からその処分をする日または処分をしないことを決定する日までの間に、その処分にかかる銃砲または刀剣類を他人に譲渡し、その他自己の意志に基づいて所持しないこととなった日から5年を経過していない者
- 1.2.9 ⑼年少射撃資格の認定を取り消された日から5年を経過しない者
- 1.2.10 ⑽禁固以上の刑に処せられた人で、その刑の執行を終わり、または執行を受けることがなくなった日から5年を経過していない者
- 1.2.11 ⑾銃刀法違反、火取法違反で罰金刑以上の刑に処せられて、その刑の執行を終わり、または執行を受けることがなくなった日から5年を経過していない者
- 1.2.12 ⑿人の生命・身体を害する罪または銃砲刀剣類などを使用してこれら以外の凶悪な犯罪を犯して罰金刑以上の刑に処せられ、その刑の執行を終わり、または執行を受けることがなくなってから5年を経過していない者
- 1.2.13 ⒀ストーカー防止法による警告・命令を受けた日から3年を経過していない者
- 1.2.14 ⒁配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護などに関する法律による命令を受けた日から起算して3年を経過していない者
- 1.2.15 ⒂手段的または常習的に暴力的不法行為その他の罪に当たる違法な行為を行うおそれがあると認めるに足りる相当な理由がある者
- 1.2.16 ⒃他人の生命、身体もしくは財産もしくは公共の安全を害し、または自殺をするおそれがあると認めるに足りる相当な理由がある者
- 1.2.17 ⒄人の生命・身体を害する罪や、銃砲刀剣類などを使用してこれら以外の凶悪な罪で政令で定めるみに当たる違法な行為をした日から起算して10年を経過していない者
- 1.2.18 ⒅所持許可の申請書や添付書類中の重要な事項について虚偽の記載をし、または事実を記載しなかった者
- 1.3 ②猟銃所持における相対的欠格事由
- 1.4 ③猟銃・保管設備についての欠格事由
- 2 まとめ
- 3 合わせて読みたい記事
【狩猟】該当なければ大丈夫。18項目の絶対的欠格事由に該当する人は猟銃を持てない。その根拠について解説します。
猟銃所持における欠格事由とは?
『欠格事由』に該当すると猟銃を所持することができない
猟銃を持つ資格に欠けるというのが『欠格事由』です。
これは法治国家である日本において『銃刀法』で厳しく示されています。
残念ですが、欠格事由に該当してしまうと猟銃を所持することができないということになってしまうんですね。
ただ、この欠格事由というのは、あくまで猟銃を所持することができないということだけ。
人として欠格があったり、劣っているということでは絶対にありませんよ。
猟銃所持における欠格事由
- 欠格事由の中に①~③の種類があります。
①絶対的欠格事由
- 該当する人は猟銃の所持が認められません。
②相対的欠格事由
- 該当すれば猟銃の所持が認められない「場合もあります」
③猟銃・保管設備についての欠格事由
- 改造をしていたり、規定外の銃や、保管場所がなければ認められません。
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欠格事由は3種類。『①絶対的欠格銃』と『②相対的欠格事由』と『③猟銃・保管設備についての欠格事由』がある
①猟銃所持における18項目の絶対的欠格事由
猟銃所持における18項目の絶対的欠格事由
- 未成年者
- 破産者で復権していない者
- 精神障害や認知症などの特定の病気の者
- アルコール、あへん、麻薬、大麻などの中毒者
- 是非弁別能力、判断能力に問題のある者
- 住所が定まっていない者
- 所持許可の取消処分を受けて許可を取り消され、その日から5年が過ぎていない者
- 所持許可の取消しの聴聞会の期日・場所が公示された日からその処分をする日または処分をしないことを決定する日までの間に、その処分にかかる銃砲または刀剣類を他人に譲渡し、その他自己の意志に基づいて所持しないこととなった日から5年を経過していない者
- 年少射撃資格の認定を取り消された日から5年を経過しない者
- 禁固以上の刑に処せられた人で、その刑の執行を終わり、または執行を受けることがなくなった日から5年を経過していない者
- 銃刀法違反、火取法違反で罰金刑以上の刑に処せられて、その刑の執行を終わり、または執行を受けることがなくなった日から5年を経過していない者
- 人の生命・身体を害する罪または銃砲刀剣類などを使用してこれら以外の凶悪な犯罪を犯して罰金刑以上の刑に処せられ、その刑の執行を終わり、または執行を受けることがなくなってから5年を経過していない者
- ストーカー防止法による警告・命令を受けた日から3年を経過していない者
- 配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護などに関する法律による命令を受けた日から起算して3年を経過していない者
- 手段的または常習的に暴力的不法行為その他の罪に当たる違法な行為を行うおそれがあると認めるに足りる相当な理由がある者
- 他人の生命、身体もしくは財産もしくは公共の安全を害し、または自殺をするおそれがあると認めるに足りる相当な理由がある者
- 人の生命・身体を害する罪や、銃砲刀剣類などを使用してこれら以外の凶悪な罪で政令で定めるみに当たる違法な行為をした日から起算して10年を経過していない者
- 所持許可の申請書や添付書類中の重要な事項について虚偽の記載をし、または事実を記載しなかった者
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噛み砕いて説明していこうと思います
⑴未成年者
こちらは読んで字のごとく、子供のうちは判断力に乏しく、危ないので猟銃は持てないですよということです。
⑵破産者で復権していない者
借金まみれになってしまい、裁判所で破産手続開始決定を受けた人
しかし、復権したら猟銃所持許可をOKされる場合もあります!
破産廃止の決定が出て、免責の申立てを行い、認められた人(復権)は、その後、猟銃所持を許可される場合もあります。
例えば、会社経営がうまくいかず破産をしてしまった。
でも復権をして、また頑張ろうと立ち上がった人には、猟銃の所持が認められる場合もあるということです。
経営破綻や破産は犯罪ではありません。
人生、一生懸命やってもうまくいかないことだってあります。
筆者は、頑張って復権された方にも、楽しみを持って生きていって頂ければと願っています。
復活したらまたガンガン働いて、良い猟銃買って、狩猟や射撃場行って楽しんじゃいましょうね(*^-^*)
安全を第一に優先するという原則の元に成り立っている
⑶精神障害や認知症などの特定の病気の者
猟銃を使って、自殺や他人に危害を加えてしまう可能性があると判断されます。
じゃあ、こういった病気を患っている人がみんな危険なのか?という気持ちにもなりますよね。
そういうことではないのですが、あくまで可能性であって少しでも危険があるのなら猟銃の所持許可は下りないんです。
安全を第一に優先するという原則の元に成り立っているんですね。
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【第2話】狩猟免許・猟銃所持の診断書は、かかりつけ医から受け取ることができます。
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犯罪を犯している人に猟銃を持たせる訳にはいきません
⑷アルコール、あへん、麻薬、大麻などの中毒者
これらには精神的・肉体的依存性があり、欲求を抑えることができないと判断されてしまいます。
アルコール以外は犯罪ですので当たり前ですよね。
犯罪を犯している人に猟銃を持たせる訳にはいきません。
アルコールについて
アルコール(お酒)を、飲んではいけないという訳ではないのでお酒が好きな方は安心してくださいね。
私も猟友会の先輩方もお酒が好きな方はたくさんいます。
適量のお酒なら問題はありません。
しかし、猟銃所持許可に関して公安(警察)で様々な聞き取りがあります。
その際に、アルコール摂取量やその頻度(週に何日くらい飲むか)や、お酒を飲んでどんな風に変わるかなど結構深く聞かれると思います。
つまり、アルコール中毒者でなくてもお酒を飲んで暴れたり、お酒を毎日飲んでいる人は要注意であるということです。
まぁお酒を飲んで暴れる人に猟銃を持たせてもいいのか??ということですよね。
⑸是非弁別能力、判断能力に問題のある者
上記⑶・⑷の病気や中毒者ではなくても、自分自身が正しい判断ができなかったり、正しい判断の者で行動できない人は許可されません。
⑹住所が定まっていない者
猟銃は保管する場所が必要になります。
その住所がない人では許可がでることはありません。
そもそもなぜ住所が定まらないのか…という疑問が出てきてしまいます。
⑺所持許可の取消処分を受けて許可を取り消され、その日から5年が過ぎていない者
何らかの違反などの理由で、猟銃の所持許可の取り消し処分が下った場合、5年間を経過しないといけませんよということです。
⑻所持許可の取消しの聴聞会の期日・場所が公示された日からその処分をする日または処分をしないことを決定する日までの間に、その処分にかかる銃砲または刀剣類を他人に譲渡し、その他自己の意志に基づいて所持しないこととなった日から5年を経過していない者
銃の所持許可を取り消されそうになった際に、取消処分逃れをしようとした場合です。
それがバレたその時点から5年間は猟銃を持てません。
なので、もし銃所持許可を取り消されることになったら、小細工などせず素直に認めた方がよいということです。
⑼年少射撃資格の認定を取り消された日から5年を経過しない者
こちらも読んで字のごとく、取り消し処分を受けたら5年間は猟銃を持つことができません。
年少射撃資格とは
- 年少者が指導者の銃砲を使用する場合には、年少射撃資格が必要です。
- 満10歳~18歳未満の年少者が対象
- 年少射撃資格制度とは、指導者の所持する指導用空気銃、指導用空気けん銃を使用して、競技会参加、練習を行う制度。
- 年少射撃資格による年少者が使用できる銃砲は、予め指導者が指導用銃砲として許可を得ているものに限られる
※引用:日本ライフル射撃協会
⑽禁固以上の刑に処せられた人で、その刑の執行を終わり、または執行を受けることがなくなった日から5年を経過していない者
こちらは何らかの刑に処せられた者について示されています。
つまり、銃を使用した犯罪などで罰せられたものでなくても、禁固刑以上に処せられた者は5年間を経過しないとダメですということ。
⑾銃刀法違反、火取法違反で罰金刑以上の刑に処せられて、その刑の執行を終わり、または執行を受けることがなくなった日から5年を経過していない者
こちらは『罰金刑』以上と示されています。
罰金刑は禁固刑よりも罪は軽いです。
でも、銃刀法や火取法違反では軽い罪だったとしても厳しく規制をかけています。
⑿人の生命・身体を害する罪または銃砲刀剣類などを使用してこれら以外の凶悪な犯罪を犯して罰金刑以上の刑に処せられ、その刑の執行を終わり、または執行を受けることがなくなってから5年を経過していない者
こちらも⑾と同様で『罰金刑』と示されています。
これから銃の所持許可を受けようとしている人が、銃や刃物などで犯罪を犯しているようでは心配で許可はしてもらいにくいですよね。
⒀ストーカー防止法による警告・命令を受けた日から3年を経過していない者
こちらも読んで字のごとく。
命令を受けた日からです。ストーカーを始めた日ではないので注意です。
銃を使ってストーカーをしている人に危害を加えられては困ります。
⒁配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護などに関する法律による命令を受けた日から起算して3年を経過していない者
DVの人が銃を持ったら相手は本当に怖い思いをしてしまうでしょう。
そしてこちらもストーカーと同じで、DVをした日からではなく、DVをやめるよう命令を受けた日から3年となります。
⒂手段的または常習的に暴力的不法行為その他の罪に当たる違法な行為を行うおそれがあると認めるに足りる相当な理由がある者
反社会的勢力の方は銃所持許可はおりません。
⒃他人の生命、身体もしくは財産もしくは公共の安全を害し、または自殺をするおそれがあると認めるに足りる相当な理由がある者
銃を持たせたら自殺してしまいそうな人にも許可はおりません。
精神疾患の方が銃の所持許可が下りないのはこの理由が大きいです。
⒄人の生命・身体を害する罪や、銃砲刀剣類などを使用してこれら以外の凶悪な罪で政令で定めるみに当たる違法な行為をした日から起算して10年を経過していない者
殺人罪や傷害罪、銃や刃物で凶悪な事件を犯した者は10年間は銃の所持を認められません。
でも、逆を返したら10年経過すれば銃所持許可の可能性はあるということ。
更生って10年でできるんだろうか。
⒅所持許可の申請書や添付書類中の重要な事項について虚偽の記載をし、または事実を記載しなかった者
提出する文書などに嘘は許されませんよ。もしその時は許可されたとしても、いつか嘘はバレますし、そうなった時は取り消し処分と、それ相応の罰が与えられてしまいます。
②猟銃所持における相対的欠格事由
上記の絶対的欠格事由に該当するような人と一緒に住んでいる者
ここでは『相対的』と記載されています。
つまり『許可しないこともある』
絶対に許可されない訳ではないけれど、『許可しないこともある』ということです。
自分自身が絶対的欠格事由に該当しなくても、同居人が絶対的欠格事由に該当していれば、その家に銃が置いてあった場合に大変危険であると判断されてもおかしくはありませんよねということになってしまいます。
③猟銃・保管設備についての欠格事由
猟銃は、日本の法律(銃刀法)において許可されたものしか使用することはできません。
また、猟銃を保管する設備についても厳密に指定されています。
これらに反した場合が、『猟銃所持における相対的欠格事由』に該当したということになります。
猟銃所持における相対的欠格事由
- 変装銃
- 機関部、銃身部に著しい欠陥のある銃
- 連続自動撃発式の銃
- 構造の一部として6発以上の実包または金属製弾丸を装てんできる弾倉のある銃
- 口径が大きすぎる銃
- 銃の全長または銃身長が規定より短い銃
- 構造の一部として消音装置がある銃
- 保管設備がないとき
まとめ
欠格事由の中に①~③の種類があります。
①絶対的欠格事由
該当する人は猟銃の所持が認められません。
②相対的欠格事由
該当すれば猟銃の所持が認められない「場合もあります」。
③銃・保管設備についての欠格事由
改造をしていたり、規定外の銃や、保管場所がなければ認められません。
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