「狩猟で使う無線を探しているんだけど、どれがいいのかな?」
「やっぱりアマチュア無線の資格って取った方がいいの?」
「無線ってわかりにくいから簡単に教えて!」
こういった悩みにお答えします。
この記事でわかること
- 狩猟はアマチュア無線じゃなくても全然いける
- 無線における基本のき
- 狩猟で使える無線は3種類のタイプ
- デジタル簡易無線vsアマチュア無線|メリットデメリット
- まとめ
記事の信頼性
この記事を書いている筆者は、地元の猟友会に所属し、先輩猟師さんたちと一緒に有害鳥獣駆除隊で活動をしています。
ub-craft
筆者のプロフィール
- ub-craft
- 医療従事者
- 保有免許:第1種銃猟、わな猟免許
- 所属:猟友会、有害鳥獣駆除隊
- 住まい:長野県のド田舎で古民家暮らし
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狩猟を始めると『無線』の存在って気になってきますよね。
巻き狩りでは、立間(タツマ)という獲物を猟銃で撃つ人の方に、勢子(セコ)が獲物を追い出します。
勢子(セコ):「今、そっちにイノシシ出たよー!」
立間(タツマ):「了解!まかせとけっ‼」
こんな感じで、スマホなどの電波が届かない山奥でも、仲間と連絡を取り合えるのが無線の強みなのではないでしょうか。
今回は狩猟で使える無線の代表格である『デジタル簡易無線vsアマチュア無線 』をメリット・デメリットなど交えながら解説していこうと思います。
それでは前置きはこの辺にして早速はじめていきますね。
目次
狩猟はアマチュア無線じゃなくても全然いける
『無線』は狩猟において必ず出逢う楽しくも悩ましい問題。
ほとんどの猟師さんはアマチュア無線を使っていると思います。
でもアマチュア無線って資格(免許)も必要だし、なんとなく難しそう…
そう感じる方もいるのではないでしょうか。
デジタル簡易無線でも全然カバーできちゃう
デジタル簡易無線は資格(免許)不要で、コールサインなどの小難しいことも必要ありません。
「でも、通信距離とか短いんでしょ?」
そう感じる方もご安心ください。
デジタル簡易無線は、環境にもよりますが1,000m〜5,000mまでカバーできるので狩猟において全然使えるんですよ。
無線における基本の『き』
無線には2つのタイプがある
無線は『携帯型』と『車に積載』する2つのトランシーバータイプに大きく分類することができるんですね。
狩猟で無線を使う時には、移動の際に車載タイプで連絡を取り合い、猟場に着いたらトランシーバーを使うという方法がベーシックな使い方になりますよ。
今回は猟場での使用について視点を絞って、携帯型トランシーバーについて解説していきたいと思います。
携帯型トランシーバータイプの無線機(デジタル簡易無線)
- 口コミ
買ってよかった一台です。基地局2階鉄筋コンクリート住宅で松本市から30km先の高ボッチ高原の相手と通話しました。アンテナが交換できないのがマイナスイメージですが、交換しなくても30km飛べば十分だと思います。お値段以上の商品だと思います。音質も思ったより良く聞き取りやすいです。
車載型トランシーバー(デジタル簡易無線)
- 口コミ
良い商品でした!
リピーターです。商品はメーカー製で安心して使用できます。手元でのチャンネル変更が可能でチャンネル番号のアナウンスがされます。その他の使用方法も簡単で使いやすいです
狩猟で使える無線は3種類ある
(特定小電力無線トランシーバーFTH-314L:ub-craft)
狩猟で使える無線は3種類 (携帯型トランシーバー)
狩猟で使える無線の種類
- 特定小電力無線
- 簡易無線
- アマチュア無線
無線ってあれば便利なんだろうけど、色んな種類があったり、難しい用語が出てきたりと、なんだか分かりにくいですよね。
狩猟で使える無線は、大きく分類すると3種類のタイプに分けることができるんですよ。
これは資格や通信距離などによって分類さているんですね。
「そんな簡単なもんじゃないぞ!」
無線のベテランさん達からお叱りの声が聞こえてきそうですが
無線の世界はとても奥が深いので、『資格』『費用』『通信距離』にポイントを絞って、ざっくりと以下の表にしてみました。
※通信距離については、建物や山の影などの条件によって変わるので、目安としてみて頂ければと思います。
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新しい巻き狩りチームがアマチュア無線を使っていたので免許を取りました!
◎狩猟で使える特定小電力無線
- 【資格】:不要
- 【費用】:1,500円〜9,000円/1台
- 【通信距離】:100m〜500m程度
◎狩猟で使えるデジタル簡易無線
- 【資格】:不要 (登録は必要)
- 【費用】:18,000円〜50,000円/1台
- 【通信距離】:1,000m〜5,000m程度
◎狩猟で使えるアマチュア無線
- 【資格】:必要 (アマチュア無線技士など)
- 【費用】:15,000円〜50,000円/1台
- 【通信距離】:数km〜数十km程度 (出力による)
狩猟ではデジタル簡易無線orアマチュア無線が現実的
(巻き狩りの様子:ucarytakaiさんより)
狩猟で使う無線は『デジタル簡易無線』、もしくは『アマチュア無線』が現実的です。
狩猟は基本的に山の中で1km前後離れた状況で無線を使うため、通信距離が限られている特定小電力無線(トランシーバー)では厳しい部分も多いかもしれません。
次にデジタル簡易無線とアマチュア無線のメリット・デメリットを紹介していきますね。
【狩猟】デジタル簡易無線vsアマチュア無線のメリット・デメリット
(筆者が購入したデジタル簡易無線/DJ-DPS70:ub-craft)
【狩猟】デジタル簡易無線vsアマチュア無線
狩猟において使える無線は、デジタル簡易無線かアマチュア無線になります。
筆者はデジタル簡易無線(DJ-DPS70)を選択しました。
それは資格(免許)不要で、コールサインを発する必要がないこと、5wまで発信できるという所にほれ込みました。
このポップな黄色というのも、また可愛くてカッコイイなぁという、見た目が決め手だったかもしれません。
無線は使う人の用途や、考え方があるので一概にこっちがいい!と言い切ることはできません。
このあと、それぞれのメリット・デメリットを紹介していきますので、ご自身にあった無線を選ぶ参考にしていただければと思います。
狩猟における『デジタル簡易無線vsアマチュア無線』のメリット・デメリット
まずはデメリットから紹介していきますね。
狩猟における『デジタル簡易無線vsアマチュア無線』のデメリット
狩猟における『デジタル簡易無線vsアマチュア無線』のデメリット
- 猟師さんはだいたいアマチュア無線を使っている
- デジタル簡易無線は通信距離が短い
- デジタル簡易無線は値段が高め
狩猟における『デジタル簡易無線vsアマチュア無線』のデメリット ①猟師さんはだいたいアマチュア無線を使っている
スマホや携帯電話って電話番号を打ち込めば誰とでも通話ができますよね。
無線に置いても相手がいないと会話が成立しません。
「そんなもん、当たり前だろ!」
そういったお声が聞こえてきそうですが、例えばドコモのスマホ(携帯)でauやソフトバンクのスマホ(携帯)に電話をしても繋がりますよね。
でも無線の場合、アマチュア無線からデジタル簡易無線に通信してつながらないんです。
アマチュア無線ならアマチュア無線同士。
デジタル簡易無線ならデジタル簡易無線同士でしか連絡を取り合うことはできないんですね。
多くの猟師さんはアマチュア無線で交信を取り合っているため、一緒に猟へ出掛ける人と同じ媒体(無線)を持っていないと通信ができないということを考慮しておく必要があります。
狩猟における『デジタル簡易無線vsアマチュア無線』のデメリット ②デジタル簡易無線は通信距離が短い
アマチュア無線は状況(資格)にもよりますが、数km〜数十kmほど通信距離を確保できます。
対して、デジタル簡易無線は1km〜5kmほど。
カバーできる通信距離外であればアマチュア無線にデジタル簡易無線はかないません。
自分が出掛ける猟場と、仲間のいる場所までの距離を把握しておく必要がありますね。
狩猟における『デジタル簡易無線vsアマチュア無線』のデメリット ③デジタル簡易無線は値段が高め
アマチュア無線は5,000から販売されていますが、デジタル簡易無線は20,000円以上で販売されています。
デジタル簡易無線は高めの価格で販売されていますね。
新品でなくてもいいという方は、ヤフオクやメルカリなどにも中古のデジタル簡易無線は出品されているので、そちらで購入を検討するのもアリかもしれませんよ。
ただ『登録解除』をしてあるかどうかを確認して、問題ないものを購入していただければと思います。
狩猟における『デジタル簡易無線vsアマチュア無線』のメリット
次にデジタル簡易無線のメリットについて紹介していきますね。
狩猟における『デジタル簡易無線vsアマチュア無線』のメリット
狩猟における『デジタル簡易無線vsアマチュア無線』のメリット
- デジタル簡易無線は資格(免許)不要だから手軽に始められる
- デジタル簡易無線は発信時にコールサインがいらないから難しくない
- デジタル簡易無線は有害駆除で合法的に使えるから安心
狩猟における『デジタル簡易無線vsアマチュア無線』のメリット ①デジタル簡易無線は資格(免許)不要だから手軽に始められる
デジタル簡易無線は資格(免許不要)で始めることができます。
アマチュア無線では資格試験などがあり、それに伴う費用や勉強が必要になるんですね。
デジタル簡易無線ではそういったことがないので手軽に始めたい方にはおすすめですよ。
デジタル簡易無線では登録申請をするだけで使用できるので手軽に始めることができまね。
狩猟における『デジタル簡易無線vsアマチュア無線』のメリット ②デジタル簡易無線は発信時にコールサインがいらないから難しくない
デジタル無線では発信時にコールサインが必要ありません。
それはデジタル簡易無線を発信する時に、電波の中に無線機の個体番号などのデータが自動的に送信されるようになっているからです。
アマチュア無線の場合は、以下の交信例にあるようなコールサインが必要になるので、デジタル簡易無線は難しくないですよね。
アマチュア無線の交信例
○JA1RL「CQ、CQ、CQ、こちらはJA1RL①、ジュリエット・アルファ・ワン・ロミオ・リマ②。 お聞きの局いらっしゃいましたら、QSO④願います、どうぞ。」
狩猟における『デジタル簡易無線vsアマチュア無線』のメリット ③デジタル簡易無線は有害駆除で合法的に使えるから安心
(総務省ホームページより)
『アマチュア無線は金銭等の利益のためでなく、もっぱら個人的な無線技術の興味に基づいて行うもの』
これは総務省から狩猟時の無線使用について記載されている文言にも記載されている内容です。
有害鳥獣駆除では金銭の授受が発生するので、アマチュア無線は使用することができません。
正確に言うと、今まではできませんでした。
しかし、このあと紹介しますが規制緩和になったため、アマチュア無線でも使用できるようになったんですね。
デジタル簡易無線は今までも、これからも合法的に有害著獣駆除でも使用できるので安心ですよ。
デジタル簡易無線局(登録局)の利用が便利です。
アマチュア無線を使用する場合は、電波のルールを守って正しく運用しましょう。
- アマチュア無線は金銭等の利益のためでなく、もっぱら個人的な無線技術の興味に基づいて行うものです。
- 無線局の免許及び無線従事者の資格の両方が必要です。
- 免許状に記載された周波数及び空中線電力の範囲内で運用して下さい。
- 通信する際は、免許状に記載されたコールサインを必ず送出して下さい。
- 周波数の使用区分(バンドプラン)に従って通信して下さい。
- 特定の周波数を独占して使用することはできません。
総務省:狩猟時の無線使用についてより引用
(総務省ホームページより)
アマチュア無線は有害鳥獣駆除で使用することができませんでした。
→令和3年から使用可能になりました!
まとめ
狩猟で使える無線について記事を書き進めてきました。
無線は、相手がいてこそ使える通信手段です。
自分が所属する猟友会などの団体で、どの無線を使っているかを確認しておくのもよいと思います。
決して安い買い物ではありませんが、それぞれのメリットデメリットを理解して使えば心強い相棒になってくれること間違いなしですよ。
読者さんの無線ライフが楽しいものになりますように。
それではまた。
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大変参考になりました。有り難うございました。
ご連絡ありがとうございます。参考になることができて幸いです。