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猟師になれば、自分の手で山から肉を獲ってこれる。
そうすれば、スーパーで肉を買わなくて済む。
あわよくば獲った肉を売って生きていこう。
そんな自給自足に向けた理想を描き、踏み込んだ狩猟の世界。
しかし、そんなのは夢のまた夢。
現実はそんなに甘くはありませんでした。
この記事は、ハンター2年目の『今』感じている理想と現実をお伝えできればと思います。
目次
【猟師】理想と現実。2年目ハンターが本音をぶっちゃけ。それでも僕は猟を続ける。
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筆者のプロフィール
- ub-craft
- 所属:猟友会、有害鳥獣駆除隊
- 猟師歴:2年(記事を書いている時点で)
- 住まい:長野県のド田舎で古民家暮らし
結論:僕(筆者)が猟を続けていこうと思っている理由
狩猟を通じて『命の尊さ』を知れたからです。
もし、この先狩猟を辞めることがあっても、この経験を一生忘れることはないと思います。
それでは始めていきますね。
【猟師】理想と現実。2年目ハンターが本音をぶっちゃけ。それでも僕は猟を続ける。
ぶっちゃけ獲物は思っていたほど獲れない
地方ではイノシシやシカなどの野生動物による農作物被害が絶えない。
こういった農作物被害の話を耳にすることも多いのではないでしょうか。
そんなに野生動物の被害が多いなら、狩猟をすればめちゃめちゃ獲れるんじゃないの?
筆者もそう考えていたんですが、ぶっちゃけ最初のうちは全然獲れませんでした。
もちろん、中には最初からたくさんの獲物を獲っている方もいらっしゃいます。
ただ多くの初心者猟師は、思っていたほど獲れないと感じているのも事実なんですね。
※語弊があるといけないので、もう少し掘り下げると、獲物が思っていたほど獲れない理由は2つあります。
獲物が思っていたほど獲れない理由
- 1人(忍び猟)では、なかなかイノシシやシカは獲れない
- 散弾銃だけじゃかなり厳しい
1人(忍び猟)では、なかなかイノシシやシカは獲れない
最近は『忍び猟(しのびりょう)』をする方が増えています。
忍び猟というのは、基本的に1人で山に入りイノシシやシカを獲ってくるというもの。
この『山のクジラを獲りたくて 単独忍び猟記』の著者である、武重謙さんは忍び猟を有名にした方といっても過言ではないと思います。
筆者も、この忍び猟に憧れた一人。
ただ、実際に忍び猟をしてみて思ったことは、ホントに獲れない。
というよりも、獲物の姿すら見られないことも結構ザラでした。
山を知っていたり、獲物の動きを予測できるようになると猟果が上がるとはいわれますが難易度はかなり高め。
1日中、獲物を探して山を歩き回ったところで、何の獲物もなしだった時は泣きたくなりますね。
巻き狩りなら獲物を獲れる確率は上がる
『巻き狩り』といって、大勢の猟師さんや、猟犬と一緒にみんなで山に入って猟をする方法があります。
この猟法だと、獲物が獲れる確率が上がりますね。
というより、先輩猟師さんたちの腕が良いというのが多くを占めていることは内緒(笑)。
ただ、中には集団行動が苦手な方もいるかと思います。
筆者自身も一人の方が好きなので、巻き狩り行く人たちとうまくやれるか心配していました。
いろんなグループがあるので、一概には言えませんが、比較的どこのグループも若手の猟師を歓迎してくれる雰囲気が強いように思います。
あまり気兼ねせず、参加してみてもいいかもしれませんね。
散弾銃だけじゃかなり厳しい
狩猟といえば、散弾銃でドーン!で、イノシシGET!!
こんなイメージで始めた狩猟。
でも、そんなに単純なものじゃなかったんです。
そもそも獲物がいなければ発砲すらできません。
わな猟と銃猟を組み合わせることで、格段に獲物を捕らえられる確率は上がりますよ。
これから狩猟免許を取ろうと考えている方には、「わな猟免許」と「第1種銃猟もしくは第2種銃猟免許」の『2つの免許』の取得をおすすめします。
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散弾銃を撃つ機会があまりない
獲物がいないのに発砲すると法律違反
(散弾銃の弾/ub-craft)
狩猟を始めれば、ドンパチとは言わないものの結構な頻度で散弾銃を撃てると思っていました。
しかし、獲物がいなければ散弾銃を撃つことはできないんです。
当たり前っちゃ当たり前なんですが、その獲物に出会えなければ猟期(一般的に11/15~2/15)の約3か月で1発も撃てないことだってあるんですよね。
射撃場でのクレー射撃はめちゃくちゃ楽しい
(クレー射撃/ub-craft)
狩猟をする上で、技術の向上はとても大切です。
でも獲物がいないんじゃ発砲もできないじゃないか。
そう思われる方もいると思います。
そんな時は、射撃場に出掛けて、クレー射撃をすることができますよ。
芸能人のヒロミさんがやっているアレです。
処理をミスるとジビエ肉はめちゃくちゃマズイ
初めてのジビエ肉は頂いた(半端なくマズイ)鹿肉だった。
狩猟免許を取り、初めて食べたジビエ肉は『もらったシカ肉』でした。
ホントは自分で獲ったものを最初に食べたかったんですが、そこはさておき。
期待を膨らませながら調理した『シカ肉の焼肉』。
出来上がったものを食べた瞬間…言葉を失いましたね。
心の中では「(なんじゃこりゃ!すげぇ臭い、ウェェェー)」
頂いた方には申し訳ないんですが、ハッキリ言って物凄くマズかったんです。
狩猟するのをやめようかと思ったくらいだったんですね。
今考えると、血抜きと後処理がいい加減だったんじゃないかと思います。
貴重な命を頂く訳ですから、大切に食べたいと思った1つのシーンでした。
丁寧に処理をし、工夫して調理すればとても美味しくなる。
ジビエ肉で最も大事なのは血抜き
それだけじゃねぇぞ若造!
と思われる猟師の先輩方がいるかもしれません。
しかし、狩猟を2年間してみて感じることは『血抜きはめっちゃ大事』です。
釣りでもそうなんですが、血抜きができていない肉って臭みがでるんですよね。
愛情を込めるといえば少し言い過ぎなのかもしれませんが、丁寧に処理することで上質な肉になることは間違いありません。
ジビエ肉の種類に合った料理ができれば最高に旨い
(マガモのロースト/ub-craft)
スーパーで売っている様々な肉。
豚、牛、鳥など、それぞれに旨味がありますよね。
それはジビエ肉にも言えることです。
というよりも、野性味が強いジビエ肉では料理によって美味しさ(マズさ)がはっきり分かれますね。
上の『マガモのロースト』は私が作ったものです。
もちろん自分で仕留めたマガモを使い丁寧に調理しました。
正直ジビエに抵抗があった妻や子供たちも『本当に美味しい』といい、あっという間に食べてしまったんですよ。
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【狩猟】空気銃でマガモをGET!おすすめの絶品ジビエ料理3選を紹介します。
現地調達できる美味しいジビエ肉BEST.⑤!おすすめキャンプ飯も紹介します。
狩猟の理想と現実がある中で、それでも僕が猟を続ける理由
狩猟についてのネガティブを多く伝えてきました。
ではなぜ猟師続けているの?
そんな言葉が聞こえてきそうですね。
実際に飛ばしてくるのはメンタルが弱いのでやめて下さいね(笑)
狩猟を通じて『命の尊さ』を知れたから
狩猟を始めるきっかけは自分の手で山から肉を獲ってきたかったから。
自給自足をしていきたいと考えていたからでした。
でも、2年目ハンターの現時点では、肉を生活レベルで調達はできていません。
もしかしたらこの状況はそんなに変わることはないかもしれないです。
ただ、狩猟をするうえで自分が命を終わらせた動物がいる。
その肉を自分でさばき、自分で調理し、自分で食べたのは、まぎれもない真実なんですよね。
その中で、狩猟を続けていこうと思った最も大きな理由は、狩猟を通じて『命の尊さ』に気付くことができたからです。
まとめ
狩猟をして自給自足をしていくことは、なかなか難しい部分もあるかもしれません。
散弾銃を担いで山に入り、ドンパチ発砲をすることもあまりないかもしれません。
思い描いたような狩猟ができるかはわかりませんが、命の尊さを学び、生きていることに感謝する気持ちを得られたのは狩猟があってのことだったと思います。
狩猟は様々な意見があるのも事実。
動物の命を奪っておいて何言ってんだと思う方もいると思います。
そういった意見を否定するつもりもないですし、もしろ自分自身も狩猟をする中でそう感じることもあります。
狩猟を通じて命と向き合うことで、自分の命や相手の命を大切に思うことができるようになったこと。
朝目覚めた時、今日も新たな一日を迎えられたことに感謝できるようになれたのは、狩猟を始めたからこそだと思います。
だから僕はこれからも猟を続けていきます。
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