「サベージが欲しい!でも、MSS-20も捨てがたいんだよな」
「A-ボルトも良いけど、ターハントもカッコ良いよね」
狩猟をしているといつの日かたどり着くボルト式散弾銃の魅力。
スコープ越しに狙いの獲物へ焦点を合わせトリガーを引く。
10年未満の狩猟者がライフルと同様の射撃をするにはボルト式の猟銃が最適なんですよね。
今回はこういったお悩みを解決します。
この記事でわかること
- ボルト式散弾銃とは?
- 4大ボルト式散弾銃を徹底比較
- ボルト式散弾銃のメリットデメリット
ボルト式の猟銃について知りたいと考えているあなたに向けて、それぞれの特徴などを徹底比較していこうと思います。
この記事を読めば、ボルト式の猟銃について理解でき、よく知らずに購入して後で後悔した…といったことがなくなり、猟銃選びの助けになる!といった記事です。
記事の信頼性
この記事を書いている筆者は、地元の猟友会に所属し、先輩猟師さんたちと一緒に有害鳥獣駆除隊で活動をしています。
ub-craft
筆者のプロフィール
- ub-craft:ブログ管理人(ナトリックス@山で生きる)
- 保有免許:第1種銃猟、わな猟免許
- 所持猟銃:MSS-20、FXドリームラインBP、ブローニングオート5、ニッコー上下二連
有害駆除の報奨金と、狩猟ブログの収益でMSS-20を手に入れることができました!山の恵みに感謝しつつ、腕を磨いていきたいと思います。 pic.twitter.com/JTFjeQZnYs
— ナトリックス@山で生きる (@yamaotoko173) March 11, 2022
本記事を書いている筆者は、ブローニングオート5で忍び猟をしていましたが、なかなか命中せず色々と調べている内にボルト式の猟銃を知りました。それぞれの猟銃を比較し、最終的にMSS-20を購入しています。
今回の記事はMSS-20を購入するまでに比較検討してみた経験を踏まえて、分かりやすく解説していきたいと思います。
目次
ボルト式散弾銃(猟銃)とは?
ボルト式散弾銃(猟銃)仕組み
(画像:ub-craftブログ管理人のMSS-20)
ボルト式の猟銃とは、ボルトを引いて1発ずつ弾を装填(そうてん)し、発射するタイプの猟銃です。
射程距離は100m以上で、スコープを使用しシカや熊などの獲物を狙うことができるんですよ。
ボルト式散弾銃(猟銃)使用できる弾
(散弾銃の弾:狩猟読本より)
ボルト式の猟銃で使える弾は、スラッグ弾かサボットスラッグ弾です。
散弾といえば小さい粒が飛んでいくイメージもありますが、スラッグ弾やサボットスラッグ弾は1発弾。
1発弾を当てるのは難しいですが、威力が強いため大物のシカや熊を倒すことができるんですね。
ボルト式散弾銃(猟銃)代表格は4種類!
代表格の4大ボルト式散弾銃(猟銃)
- A-ボルト
- MSS-20
- サベージ
- ターハント
日本で使用できるボルト式散弾銃(猟銃)は4種類が代表格。
上記の1~4は、ライフル所持(※➀)まで時間がある若手ハンターに人気があります。
今回紹介する猟銃はすべて【ボルト式】です。
厳密に分類すると、MSS-20が『ボルト式散弾銃』で、その他が『散弾銃およびライフル銃以外の猟銃』とされているんですよ。
スラッグ弾(MSS-20)か、サボットスラッグ弾(Aボルト、サベージ、ターハント)を使用しているのかの違いとなっています。
※➀ライフルを使用できるようになるには、散弾銃・散弾銃およびライフル銃以外の猟銃を10年間所持している実績が必要です。
ボルト式散弾銃(猟銃)『A-ボルト』『MSS-20』『サベージ』『ターハント』のスペック
ボルト式散弾銃(猟銃)➀A-ボルト(ブローニング社)
(A-ボルト:ミロクHPより引用)
- 長さ:全長約108.5cm
- 銃身長:56cm(22インチ)
- 重さ:約3.3kg
- 口径(番):12GA(番)
- 特徴:ハーフライフル
- 弾倉:2発
- カラー:木目柄、ブラック(シンセ)、迷彩
- 値段:(新銃)20~30万円 (中古銃)10~20万円
ボルト式散弾銃(猟銃)②MSS-20(ミロク社)
(ブログ管理人のMSS-20:ub-craft)
- 長さ:約116cm
- 銃身長:66cm
- 重さ:約3.2kg
- 口径(番):20GA(番)
- 特徴:スラッグ銃
- 弾倉:1発
- カラー:木目柄
- 値段:(新銃)25~39万円 (中古銃)10~20万円
ボルト式散弾銃(猟銃)③サベージ220/212(サベージアームズ社)
(サベージ220F:サベージアームズHPより引用)
- 長さ:約109cm
- 銃身長:56cm(22インチ)
- 重さ:約3.3kg
- 口径(番):サベージ220→20GA(番)/サベージ212→12GA(番)
- 特徴:ハーフライフル
- 弾倉:2発
- カラー:木目柄、ブラック(シンセ)、迷彩
- 値段:(新銃)15~25万円 (中古銃)10~20万円
ボルト式散弾銃(猟銃)④ターハントRSG(ターハント社)
(ターハントRSG:小野鉄砲火薬店より引用)
- 長さ:約108cm
- 銃身長:22インチ
- 重さ:約3.6kg
- 口径(番):20GA(番)/12GA(番)
- 特徴:ハーフライフル
- 弾倉:2発
- カラー:木目柄、ブラック(シンセ)
- 値段:(新銃)100万円前後 (中古銃)15~35万円
ボルト式散弾銃(猟銃)『A-ボルト』『MSS-20』『サベージ』『ターハント』徹底比較
ボルト式散弾銃(猟銃)徹底比較
- 質感
- 命中精度
- ランニングコスト
『A-ボルト』『MSS-20』『サベージ』『ターハント』徹底比較 ➀質感
(MSS-20の質感:ub-craft)
ボルト式散弾銃(猟銃)徹底比較として、最初は質感についてです。
この4種類で上質な猟銃は『A-ボルト』と『MSS-20』ですね。
両方ともアメリカのブローニング社が開発していますが、銃を作っているのは日本のミロク社なんですよ。
手先が器用な日本の職人さんが丁寧に仕上げたA-ボルトやMSS-20が上質であることは納得できますよね。
ボルトを動かした時のガタツキのなさや、銃を保持した際のしっくりくる感覚は手にするとよくわかります。
ターハントは新銃で100万円前後するだけあって上質であるのは間違いありません。
しかし、なかなか新銃に出逢えることも少なく、中古になってしまうことを考えるとA-ボルトとMSS-20に軍配があがりますね。
もちろん上質な中古のターハントもあるハズなので、運命を感じればそちらが買いかもしれません。
『A-ボルト』『MSS-20』『サベージ』『ターハント』徹底比較 ②命中精度
(画像:狩猟読本より)
命中精度はサボットスラッグ弾を使用する『A-ボルト』『サベージ』『ターハント』に軍配が上がります。
この3種類の猟銃は【ハーフライフル】に位置付けられていますね。
銃身内に刻まれたライフリングによって、弾に捻じれるような回転を与え大きな放物線を与えないようにしています。
つまり弾が真っすぐ飛んでいきやすいため命中精度が高くなるんですよ。
『A-ボルト』『MSS-20』『サベージ』『ターハント』徹底比較 ③ランニングコスト
(お金:ub-craft)
ランニングコストでは『MSS-20』が有利でしょう。
猟銃を所持する上で最もコストがかかるのは【弾代】です。
MSS-20はスラッグ弾を使用します。
スラッグ弾は200円〜300円程度で購入可能。
サボットスラッグ弾については800円〜1,000円程度するんですね。
2022年の執筆時点で、世界情勢や流行り病の影響が大きくサボットスラッグ弾は国内在庫がほぼ無い状況です。
ボルト式散弾銃(猟銃)メリット・デメリット
ボルト式散弾銃(猟銃)メリット
- 遠くの獲物がとれる
- 忍び猟が得意
- カッコ良い
ボルト式散弾銃(猟銃)メリット ①遠くの獲物がとれる
(めちゃくちゃシカが出る猟場:ub-craft)
ボルト式散弾銃(猟銃)のメリットは遠くの獲物をとることができます。
ボルト式散弾銃(猟銃)はスコープを使用しスラッグやサボットスラッグの1発弾で獲物を狙います。
ボルト式散弾銃(猟銃)は精度がとても良いため50m〜100mは余裕の射程距離。
200m先の獲物をとる強者もいるんですよ。
ボルト式散弾銃(猟銃)メリット ②忍び猟が得意
(忍び猟のイメージ:harutautaさんより)
ボルト式散弾銃(猟銃)のメリットは忍び猟が得意です。
忍び猟とは、1人ないし少数で山へ入り、ひっそりと獲物を狙う猟法。
獲物がいるところまで静かに歩み寄ったり、獣道(けものみち)で待ち伏せをするといったスタイルが忍び猟の特徴です。
獲物との距離が遠いことが多いためボルト式散弾銃(猟銃)はとても使いやすいんですよ。
ボルト式散弾銃(猟銃)メリット ③めちゃくちゃカッコ良い
(MSS-20を射撃場でゼロインする様子:ub-craft)
ボルト式散弾銃(猟銃)のメリットはめちゃくちゃカッコ良いところです。
その美しいフォルム。
ドーン・ガチャン・ドーンと弾を1発ずつボルトを引いて装填する操作。
遠くで草を食べるシカ、こちらには気付いていないところをスコープを覗き狙いを定めるスタイル。etc…
完全に自己満足の世界ですが、ボルト式散弾銃(猟銃)その全てがめちゃくちゃカッコ良いんです。
ボルト式散弾銃(猟銃)デメリット
- 二の矢までに時間が掛かる
- 近い距離が苦手
- 汎用性がない
ボルト式散弾銃(猟銃)デメリット ①二の矢までに時間が掛かる
(ジャムっている様子:ub-craft ※模擬弾を使用しています)
ボルト式散弾銃(猟銃)のデメリットは二の矢までに時間が掛かります。
二の矢とは、2発目の弾をいいます。
ボルト式散弾銃(猟銃)の特徴である手動でボルトを動かし弾を装填しなければらないため、2発目の弾を撃つまでに時間が掛かってしまうんですね。
キャベツの千切りを例にしてみると、機械ならあっという間にできてしまいますが、練習をすれば包丁をものすごい速さで動かせるようになりますよね。
ボルトの操作も同様で、練習をしたり、山で使っているうちに手際良くできるようにようになります。
ボルト式散弾銃(猟銃)デメリット ②近い距離が苦手
(近距離のイノシシ:fukuchan291さんより)
ボルト式散弾銃(猟銃)のデメリットは近い距離の獲物を狙うのが苦手です。
巻き狩りなどでタツマ(待っている方)の役割の場合、獲物がすごい速さで自分の方へ走ってくることがあるんですね。
獲物との距離が近くなってくるのに、ボルト操作を手間取ると発射することができないということも。
近距離の場合は自動式散弾銃を使うのが有利ですが、ボルト式を近距離で使っている猟師さんもたくさんいるので絶対ムリというわけではありませんよ。
ボルト式散弾銃(猟銃)デメリット ③汎用性がない
(画像:狩猟生活より引用)
ボルト式散弾銃(猟銃)のデメリットは汎用性がない(少ない)というところです。
汎用性とは『さまざまな用途や分野に用いることができるさま』とされています。
ボルト式散弾銃(猟銃)は【遠くの獲物をスコープ越しに狙い1発で仕留める】が得意。
狩猟のスタイルが決まっている方向けのコアな猟銃といえるでしょう。
「いろんなやり方で猟をしたい!」
そういった汎用性を求めるのなら自動式散弾銃が良いのかもしれませんね。
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まとめ
【猟銃】MSS20・Aボルト・サベージ・ターハント|ボルト式散弾銃を徹底比較と題して記事を書き進めてきました。
色んな猟銃を使ったり購入できればよいのですが、日本ではなかなかそうもいきません。
猟銃は高価なものでもあるのでこの記事を通じて、読者さんが失敗せず納得の一丁と出逢えることを願っています。
それではまた。
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